■草千里ヶ浜 p.3-p.10

これまで、国内外のいろんな場所を旅して、今のところ一番好きな場所は、
熊本の阿蘇だということを改めて思います。
私の両親は熊本出身で、子供の頃はよく一人で祖父母の家に預けられていて、
時々、草千里ヶ浜に遊びに連れてきてもらっていました。
小学校の修学旅行でも訪れました。その頃と大きく風景は変わっていないようで、
ここの優しい色彩の草原の風景は、私の原風景でもあります。
この作品集は、この私の原風景である、草千里ヶ浜からスタートします。

 

■ニャチャン

ベトナムのニャチャンは、
ホーチミン市から北東へ約450kmのところにある、
長く続く美しい砂浜が有名なベトナム有数のリゾート地です。
7km にわたる美しい砂浜に面した街には、
ホテルやレストランなどが立ち並んでいます。
ベトナム戦争時代にはアメリカ軍の軍港があり、
激戦地となった場所でもあり、
その後、社会主義政府の高級官僚用のリゾートとなっていました。

p12-15ホンチョン岬には、このような奇岩が積み重なるように、不思議な風景をつくっています。

p16-17 街の北側にある遺跡「ポーナガール」の祠堂

p18-19 ニャチャン市街西部の山の上にあるロンソン寺の白い大仏(隆山寺)

p20-21 高層ビルのホテルから見たニャチャンの海

p22-23 夕暮れのビーチの波打ち際

p24 ベトナムの自転車タクシー「シクロ」。運転手さんが客席で昼寝をしていました。

 

■ムンバイ

インドの西海岸に位置するムンバイは、
インドの金融センターとしても栄えるインド最大の都市。
イギリス領インド帝国時代の象徴であるインド門を始め、
タージマハールホテル、世界遺産の駅、博物館など、
植民地時代のヨーロッパの建築様式の重厚な建築物が、
今も数多く残っています。
高層ビルのホテルの窓から、街の風景を眺めていると、
ビルが立ち並ぶ街の風景と、トタン壁にブルーシートのスラム街とが、
混沌とした印象でした。

p26 インド門

p27 タージマハールホテル

p28-29 タージマハールホテル

p30-31 チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(世界遺産)

p32-33 ムンバイ最大の博物館、チャトラパティ シバーシー マハーラージ ヴァツ サングラハラヤ Chhatrapati Shivaji Maharaj Vastu Sangrahalaya

p34 バックベイ

p35 インド門近くの港

p36-37 タージマハールホテル前の海辺で

p38 海の中にある寺院 ハッジ・アリー廟

■ピンダヤ洞窟 p39-48

ミャンマー、シャン高原南部、標高1100mの地の小さな町ピンダヤ。
街のはずれの山にピンダヤ洞窟寺院があります。
湿度の高い洞窟の中はライトアップされて、
無数の金色の仏像がひしめき合っていました。
この洞窟には、8000体以上の仏像が置かれているそうで、
仏像立ちの間をぬうような狭い通路は迷路のようでした。
優しい表情の仏像たちに囲まれた異空間で過ごす時間は、
見たことのない風景に圧倒されながらも、
不思議と心が穏やかになる特別の時間でした。

■蓮 p49-58

蓮は、インド原産の水生植物で、花だけではなく、
蕾や葉、葉に落ちた花びら、花が終わったあとの実、
全てが造形的な美しさを持つ植物。
古代インドでは、蓮の花は聖なる花とされていました。
また、泥水の中から茎を伸ばして、大きく美しい花を咲かせることから、
仏教でも仏の智慧や慈悲の象徴とされ、
仏像の台座などにもモチーフとして用いられてきました。
写真の蓮は、東京上野の不忍池で撮影。

■タ・プローム p59-74

カンボジアのアンコール遺跡の一つ、「タ・プローム」
寺院を飲み込むように絡まる樹木の幹が圧巻の遺跡。
アンコールワットやアンコールトムと比べ、樹木が絡まり、苔むしている様子は、
遺跡が自然の中に飲み込まれている雰囲気を味わえます。

■LEAVES p75-84

p76-77 Pilea ‘Moon Valley’

p78 Asplenium antiquum

p79 Platycerium

p80-81
Tradescantia zebrina
Costus pruductus
Philodendron ‘Apple Green’
Philodendron xanadu

p82 Johannesteijsmannia magnifica
p83 Licuala cordata

p84 Yucca rostrata

■景色 Appearance p.85-92

茶碗などの陶器で、焼成のときに
釉薬・胎土が炎によって変化したさまを「景色」と呼びます。
自然にできた模様を風景として見立てるという考えで、
白壁が風雨にさらされ、自然にできた模様を、
同じように「景色」と呼ぶこととしました。

■GILLMAN BARRACKS p94-102

第二次世界大戦以前に、イギリス領だった頃に建て得られた英国軍の旧弊社。
現在はコンテンポラリーアートのスポットとして親しまれており、
多数のギャラリーが作品を展示しています。
白壁の美しい建物を撮影しました。
いろいろな白の表情をお楽しみください。

■Painted Town p103-118

シンガポールの街は、カラフルにペイントされています。
とくに路地裏を歩くと、色とりどりに塗られた壁が立体的なアート作品のようで
絵画の中を歩いているような気分になります。
このような楽しい色彩は、日本では見られません。
アジアのいろんな国でも、同じようにカラフルにペイントされていますが
シンガポールの色使いが一番洗練されているように感じます。

p104 Raffles
p105 Robertson Quey

p106 Dexton
p107 Bugis

p108 Little India
p109 China town

p110 China town
p111 China town

p112-113 Little India

p114 Bugis
p115 MICA Building

p116-117 China town

p118 China town