土地のエネルギーを感じる力

各地の神社には、
立派なご神木があることが多いです。

神社にご神木がある、
というより、
高く聳える立派な木が生えることができる
土地のエネルギーの高い場所に
神社が出来た、ということでしょう。

また、巨岩もご神体として
祀られてきました。

日本人は
樹木や岩石に特別なエネルギーを感じて
神性を見出してきました。

神社のある場所は、
土地のエネルギーが高い場所です。
どこに神社をつくるのか、
土地のエネルギーを感じる感度も
高かったのでしょう。

昔の人は、現代人よりも
自然に密着して暮らしていたので、
感覚も敏感だったのだと思います。

現代人は、都市生活で、
自然に触れる機会も少なくなり、
そのような感覚も鈍ってきています。

自然の写真を撮ると、
季節の微妙な移り変わりや、
その時の気象条件や光を大切にします。

自然を見つめることで、
少しは、その眠っている感覚を
呼び覚ますことができそうです。

神道について

神道について少し、これまで学んだことを
説明をしておきたいと思います。

関係なさそうですが、
実は、私の中では密接に繋がっています。

日本の文化を見つめ直すのに、
「神道」について、知っておく必要があります。

日本にいて、普通に生活していると、
あまり宗教と暮らしについて、あまり実感がありませんが、
外国にいくと、それぞれの国の文化が、
深く宗教に根ざしているということが分かります。

宗教について学ぶことは、
それぞれの国の人たちのモノの考え方を理解することに繋がりますし、
その土地の風土、景観なども見えてくることになります。

日本にも、仏教が伝来する以前から、
自然に畏敬の念をもって、
八百万の神々として、信仰してきて、
私たちの暮らし、習慣のベースになっています。

ちなみに、神道は、いわゆる宗教ではありません。

なぜかというと、
宗教に必要な3つの要素
「教義」「教典」「教祖」の
どれもが無いからです。

宗教ではないということは何かというと、
古来より脈々と受け継がれて来た習慣、風習、しきたり、
ということです。

でも、「宗教」の定義を、
何か大きな力に対して、畏敬の念をもって敬い、
自分の心の拠り所とするものとすれば、
「宗教」かもしれませんね。

しばらく、この神道について学んだことを
記していきたいと思います。

なぜなら、
日本の風景、風土、習慣を見つめ直して
日本の風景を撮るときに頭の片隅に入れておきたい
知識だと思うからです。

長崎の大楠

私の実家のある長崎には、
クスノキの大木が至る所にあります。

中でも、私の実家の窓から正面に見える
大徳寺のクスノキは、
長崎県最大で、県指定の天然記念物に指定されています。

樹齢800年以上、根回り23.4m、目通り幹周り12.6mという
とんでもない大きさの木で、
全体をカメラに収めるのは、とても無理です。
大楠の横には楠稲荷神社・梅香崎神社があります。

太い枝の分かれ目は、
寝転がれるくらいの広さのスペースがあり、
子供の頃は、ここに登って遊んでいました。

この巨木が、子供の頃は、
毎日見ている普通の存在でしたが、
とても特別な木だったということに
大人になってから気がつきました。

私の樹木との出会いの
もっとも古い記憶は、
この大楠です。

今も樹木の写真を撮るときは、
特別の思いを込めて撮りますが、
改めて考えると、
子供の頃から、樹木は身近な存在でした。

花が大好きな日本人

日本人ほど、花を愛でる国民は世界的にも珍しいそうです。

明治時代に日本に訪れた外国人が書いた旅行記でも、
いろんな方が驚きと賞賛の言葉を残しています。

西洋では、花を飾って楽しむ、というのは、
上流階級の人がやることだったそうですが、
日本では、人力車の人夫までもが、
野に咲く花を積んで、人力車を飾って、
お客をもてなして、驚いたとか、
江戸の下町を歩くと、
民家の前が、植木鉢に植えられた花々で、
道があふれていた
ということが書かれています。

日本では、室町時代に、生け花の文化が花開きました。
でも、日本文化について遡って行くと、
縄文時代にまで戻らないといけません。

茶の湯や華道など、いわゆる日本的な文化は、
室町時代にパッと出て来たわけではなく、
古事記に書かれている時代からの風習が脈々と受け継がれて、
室町時代に花開いたというわけです。

生け花の起源は、
「立て花」という
神仏に捧げる花でした。

花を立てると、そこへ神が降りてくる、という
信仰の風習が、日本には古くからありました。

このように、日本人と花は、昔から密接に関わってきました。

写真を始められた方の多くが、
最初にカメラを向けてみようと思うのが花だということも
日本人ならではなのかもしれませんね。

私の、初心者向けの写真講座も
花を撮ることで、写真の基本を身につけていただくものです。
日本人の私たちにとっては、
一番取り組みやすいテーマだからです。