写真においての、価値観や興味を広げるには、
まず、「こんなものでも作品に成りうるのだ」
という意識改革を体験することです。
その為には、世の中に無尽蔵にあふれている写真や美術を、
出来る限り頭の引き出しに入れていくように、
見てストックしていくことです。
そうしておくと、あるシーンを見つけたときに、
どうやったら、それを作品にすることができるか、ということが、
一瞬で判断できるのです。
もうひとつ、価値観を倍にして、世界を倍にする、単純な方法は、
一つのモノを、一つの側面からだけではなく、
反対側の側面にも目を向けてみることです。
世界は、あなたが認識している姿をしています。
でも、あなたが物事を1つの側面からしか見ていないとしたら、
とてももったいないことです。
モノに光が片方から当たったら、もう反対側は必ず影になります。
でも光源の位置を変えると、そのモノの反対側が照らされて、
今までは明るく見えていた部分は影になります。
それと同じで、
普段、光を当てられていないものに
注目をしてみると、新しい世界が見えてきます。
例えば、誰が見てもきれいな花を撮るよりも、
道ばたに捨てられたゴミを美しく撮った方が、
見る人は驚きます。
なぜなら、そのモノにたいしてみんなが持っているイメージと、
作品とのイメージのギャップが大きいからです。
そして、そのほうが、実際、シャッターを切ってみたときの、
感動が大きいのです。
普通は、スポットライトのあたることの無い、
価値のないと思われているものを、
丁寧に撮ってあげることで、
そのものに新しい価値を与えることができるのです。
価値観を倍すると、世界の大きさが倍になります。
そして、
モノを見るということは、相手を意識してあげることに他なりません。
関心を持って見てあげることが、
愛情をもって被写体に接することになります。
どこかで読んだのですが、
「愛」の反対は「憎悪」ではなく
「無関心」なのだそうです。
さあ、カメラを持って、
世界をいろんな視点から見つめ直してみましょう。